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東天狗岳 パノラマ展望図

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天狗岳(てんぐだけ)は、長野県にある八ヶ岳連峰の一角を成す山で、山頂部は300mほどの間隔を置いて東西に分かれ、東天狗岳および西天狗岳と呼ばれています。
西天狗岳には二等三角点があり、標高2646.0mと記録されています。一方の東天狗岳には測量点はないものの、最新のレーザー測量の情報では2644mと読み取ることができます。
今回のパノラマ展望図は東天狗岳からの撮影で、諏訪湖から北岳までの約280度を同定しました。

美ヶ原・霧ヶ峰
東天狗岳の北西側の展望には美ヶ原や車山を最高峰とする霧ヶ峰といったなだらかな地形が広がります。
当初は粘性の低い溶岩により形成される盾状火山(アスピーテ)と考えられていましたが、現在では成層火山が長い年月を経て侵食された台地であるとされています。
この緩やかな地形のため車道の整備が容易で、山頂近くまで延伸しており、電力や資材の運搬、保守点検に優位な立地であることから、車山には気象観測レーダーが、王ヶ頭にはテレビ放送等のアンテナ群が設置されています。これら電波塔群のうち、1962年建設の日本放送協会長野総合テレビ局45米鉄塔のみに夜間、航空障害灯の赤い光が灯ります。


北八ヶ岳
八ヶ岳連峰のうち夏沢峠から成層火山である蓼科山までを北八ヶ岳と総称し、西天狗岳が最高峰となります。
なだらかな山容で針葉樹林を抱く北八ヶ岳に於いて、天狗岳は岩稜を呈する山という特徴があります。

小海線
JR小海線はJR中央本線の小淵沢を起点とし、しなの鉄道(旧信越本線)の小諸までを野辺山高原から千曲(ちくま)川に沿って佐久盆地を走る鉄道で、国内最高地点(清里-野辺山間)を走る鉄道としても有名です。
東天狗岳からは野辺山から小諸までを見渡すことが出来ます。
路線名にもなっている「小海」ですが、他にも山深い地域にもかかわらず、「海ノ口(うみのくち)」や「海尻(うみじり)」といった「海」の付く地名が見受けられます。不思議に思い調べてみると、これらの地名は八ヶ岳の山体崩壊という史実を今へと語り継いでいることが解りました。
西暦887年、関西地方で巨大地震(仁和地震)が発生し、稲子岳、東天狗岳の東麓が崩壊。このときの土石流は現在の大月川沿いに流れ下り、千曲川および相木川を堰き止め、ダム湖が誕生しました。
翌年の6月20日、千曲川のダム湖が決壊し下流の集落を襲撃。1011年にも大規模な決壊があり、これによりダム湖は消失したようです。このダムが形成されていた場所を「海尻」(海は湖の意)、千曲川が湖へ注ぎ込む場所は「海ノ口」として地名は現在まで残りました。また、馬流(まながし)という地名もこれらの洪水に由来するものと言われています。
一方、相木川のダム湖は千曲川のものに比べ規模が小さく「小海」と呼ばれました。小海は1300年頃まで存在したようです。

 

 

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関東山地・奥秩父山塊
東部に連なる千曲川を経た対岸の山々は広義には関東山地で、甲武信ヶ岳以南は奥秩父山塊と呼ばれます。
この山域には火山がなく、また千曲川に広がる裾野の標高は埼玉、山梨県側の麓に対し1000m近く高いという特徴があり、川上村、南牧村などでは冷涼な気候と緩やかな地形を活かし、日本有数のレタス産地となっています。


南八ヶ岳
狭義の八ヶ岳で夏沢峠以南の山塊を指し、最高峰の赤岳、横岳などで構成されています。
温泉や湯川などの地名から判るように一帯は火山地帯となっていますが、現在は噴煙を上げる火口はありません。

 

撮影日 2017.09.18-19.


 


更新履歴

2018.06.13.UP


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