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常念岳 パノラマ展望図

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常念岳(じょうねんだけ)は、飛騨山脈(北アルプス)南部の常念山脈にある標高2,857mの山である。山体すべてが長野県に属し、松本市と安曇野市にまたがる。常念山脈の主峰。日本百名山のひとつ。 Wikipedia 「常念岳」2011.12.30.現在より部分転載


今回のシーンは「夜明け」、朝日によって峰々が赤く染まる「モルゲンロート」、日の出1時間後の「快晴」を収めました。露出の関係から太陽を背にして約240°の範囲を同定してあります。

夜明け
淡い桃色の雲海に浮かぶ北アルプスの峰々を実際に目にすれば、そこは、まさしく神々の住まう土地であると感じられることでしょう。刻々と移り変わる色彩は最も美しい時間帯のひとつです。

モルゲンロート
日の出後の数分間は峰々が真っ赤に染まります。この日は水平線近くが霞がかっていたため、澄んだ空の日よりもいっそう赤さが増しました。

快晴
安曇野や松本平の雲海は午後まで晴れることはありませんでしたが、2000m以上の山々は全て捉えることができました。山小屋スタッフの話では、ひと月のうち1、2回しかない好条件とのことです。

穂高岳
常念岳から梓川を挟んだ対岸に聳え立つ穂高連峰。左から前、奥、北と冠して頂を区別しています。奥穂高岳は北アルプスの最高峰。
上高地を拠点とした人気の山で、様々なルートが開拓されてきたため、地名が細かく付されています。

白山
北穂高岳から右に下がった大切戸の背後に石川・岐阜県境に位置する白山が見えます。日本三霊山のひとつで、常念岳からは富士山、立山と三霊山全てが見ることができます。

槍ヶ岳
真正面に聳える文字通り槍形をした孤高のピークで、山座同定の際のキーとなる山です。槍の穂先を望遠撮影すると人影が見て取れました。

独標
独標とは独立標高点の略。地形図には数値として表記されています。よって地図を見れば独立標高点だらけなわけで、当画像にもいくつか記載してあります。北鎌尾根へ取り付く際の目印として利用されてきたのでしょう、この「独標」は今では固有名詞となっています。

黒部川源流の山々
独標の右手には三俣蓮華岳、鷲羽岳、ワリモ岳、水晶岳、赤牛岳と北アルプス最奥地の山が続きます。これらの尾根を分水嶺として黒部川源流を形成しています。

常念山脈
燕岳、大天井岳、常念岳と続く山脈は常念山脈とも呼称され、南は蝶ヶ岳、霞沢岳へと続きます。安曇野から見上げる北アルプスはこの山脈となり、時折、背後にある穂高岳や槍ヶ岳が顔を出します。

常念乗越
常念岳と横通岳の鞍部は常念乗越と呼ばれ、やや西側には常念小屋があります。山小屋から常念岳山頂は見通すことはできません。山頂らしきピークは実は単なる尾根の屈折部で、まだ道程の半ばほどの位置となります。筆者はこれに騙されてしまい、溜め息をつくことになったのですが、山頂と常念小屋とでは標高差が400mあるため登頂には80分程度かかります。



撮影日    : 2011.09.16

操作方法

画面のスクロールはドラッグすることで上下左右に移動します。左右方向は数秒間、ドラッグの移動の速さが影響し、やがて元のゆっくりしたスピードに戻ります。スクロールを停止するにはダブルクリックするか、ドラッグを静かに停止するこで出来ます。

 

影常念
そんな言葉があるのかも不明ですが、影富士に倣って常念岳がつくる影をそう呼んでみました。
常念岳のピラミッド形をした山影が槍ヶ岳のある対岸の岩壁をスクリーンとして映し出されます。
日の出から1時間もすると、この影も谷深くへ移動します。
このとき、常念岳の影が他の山影と重なるのですが、常念岳の山影は他より濃い現象が起き、ピラミッド形の山容が識別できます。通常、太陽によってつくられた影は重なっても濃くはなりませんが、ここでは対岸までの厚い空気の層が影響しているようです。条件が整えば、ブロッケン現象も見られそうです。

立山 剣岳
撮影日は天候の条件が良く、立山、剣岳も鮮明に捉えることができました。龍王岳の左肩が浄土岳になります。よって、浄土岳、雄山、別山の立山三山を裏から見たかたちになります。

後立山連峰
鹿島槍ヶ岳のふたつのピークの間に白馬岳、鑓ヶ岳、五龍岳と後立山連峰の錚々たる頂が集中して見えます。大町市などから見上げると雄大に広がる山脈を縦から見たかたちです。

頸城三山
安曇野を覆う雲海の向こうに見えるのは焼山、火打山、妙高山の頸城三山で、70km超の距離は新潟県に位置します。

有明山
安曇野から仰ぎ見ると山容は美しい台形をなすため安曇富士とも信濃富士とも呼ばれ、安曇野のシンボル的存在です。常念岳からの山容は台形とまではいきませんが、山頂と2248mのピークを結んだ稜線が台形の上底をなしているのが見て取れます。

人工構造物
山小屋を除いて、見渡す限り人工物は存在しません。他は全て天然です。21世紀の今日、この事実が示す風景の価値を今一度考えていただけたらと思います。

さて、次はどの山に登ろうか・・・


山頂の山座同定盤

常念岳山頂には40年ぐらい前に設置された山座同定盤があります。そこに載っている山名のうち、誤っていると考えられるもののひとつに薬師岳があります。
方角的には水晶岳の少し左にあたりますが、薬師岳山頂が水晶岳の尾根越しに現れるには標高が微妙に足りないようです。実際、筆者が薬師岳に登頂したときには常念岳を確認出来てはいません。

同様に双六岳に関してもその山頂が見えているのか微妙なところです。場所は槍ヶ岳北鎌尾根の2873mピークのすぐ右にある鞍部になります。CG上では見えるという判定を得ていますが、写真からは判断しがたい状態です。手前の尾根が切り立った岩場の地形ゆえ、地形データの誤差と考えていますが、果たしてどうなのでしょうか。
積雪の状態や気差に伴う光の屈折の条件が整えば、見える可能性は否定できないでしょう。


更新履歴

2012.01.01. 試作版UP
2012.01.14. 正式版UP 


 関連:
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