御殿場線80周年371号　- そして371系ラストラン -

2014年は御殿場線開業80周年の年である。
それを記念して11月22、23、24、29、30日に371系による記念列車が運行した。
371系は1991年から2012年までの21年間、特急あさぎりとして御殿場線専用に新製されたオンリーワン編成であった。
特急あさぎりが小田急MSE、60000形に置き換わってからも371系はイベント列車として御殿場線を走行したことがあったのだが、御殿場線80周年371号を最後に引退することが決定した。

このページは御殿場線80周年371号を中心に、その期間に撮影したシーンを掲載したものである。

御殿場線80周年371号

紅葉まっただ中に記念列車が走った。
PLフィルターの使用で鮮やかさは増すが、合成写真のような不自然さが残ってしまった一枚。

2014.11.22.　足柄ー御殿場間

流し撮りで

11月後半の紅葉の最も美しい箇所での撮影を考えてのことである。
しかし、いざ現場を訪れてみると、今年は線路際の雑草が苅られておらず、望遠撮影には不向きな状況であったため、流し撮りで対処することにした。

313系

クハ313-3007ほか

あさぎり３号

紅葉が鮮やかな地点を狙って。

足柄ー御殿場間

これより500mほど御殿場寄りの桑木踏切では十数人の同業者がいた。
月刊誌の情報で回送の371系を迎える人たちであった。
遠方から遠征した場合には踏切は収めやすいポイントではあるが、桑木踏切はさほど魅力はないとポイントだと思われる。
どうして群れてしまうかな．．．

月刊誌には松田ー御殿場間で回送とあったが、車輛に不具合が生じたとのことで、勾配のきついこの区間の回送は取りやめとなり、代わりに下曽我ー松田間を何度か往復するダイヤが組まれた。
ダイヤの詳細はこちらに記載した。

川音川を渡る371系上り回送

下曽我ー松田間は優等列車が走ることは稀なため、近年はロケハンしておらず、川音川橋梁で待つことにした。
10分ぐらい前に現地入りすると、すでに同業者が30人以上はいただろうか。群れることを苦手としている私であるが、これは状況に従うしかない。それでも幸い平和裏に撮影出来た。
昨年の写真では西側に使われなくなった高圧線か何かの支柱が残っていたが撤去されていた。スッキリとした構図で収めることが可能となった。

夕暮れの山北駅

下り復路の371号を狙うも松田発が17:00を回り、走行中のものは光量が足りず厳しい。
一方で松田駅は同業者で混雑していることが想定されたため、隣の山北駅で撮ることにした。

下り列車

御殿場線80周年371号もこれくらいの明るさの中でとイメージしていたのだが．．．

下り御殿場線80周年371号

山北駅は17：12頃に到着。辺りはすっかり暗くなっていた。

停車中御殿場線80周年371号

近年は様々な照明の光源があり、色温度の補正が難しい。

俯瞰撮影

2014年のベストショットかと。
春にこのポイントを見つけてから、紅葉はここでと決めていた。誰も知らない撮影ポイントである。
限られた日程と紅葉の期間に富士山が姿を見せてくれた申し分のない状態であった。
ただし、ヤマダニか何か痒い虫がいるのと、３度目の現場にもかかわらず薮漕ぎで軽く遭難。
PLフィルター使用。

2014.11.23.　山北ー谷峨

同地点を望遠撮影

川音川橋梁を渡る下り回送列車

背景の雑多な建物群を列車自体で隠すため、河原へ下りてローアングルで。

2014.11.23.　相模金子ー松田間

上り回送列車

レンズの使い方で、先頭車がひと味違った形状に見える。

川音川を上流から　下り回送

色温度の調整で夕暮れを強調。

川音川橋梁

７輛編成は現御殿場線において最長である。同シーンを超広角レンズで。

第３酒匂川橋梁を渡る上り御殿場線80周年371号

会心の一枚。先頭車の鼻先が思い描いた位置で止まった。
実は371系の同じショットを過去に３回トライしているのだが、トラスの窓との位置関係でベストな状態で撮れていなかったのである。この区間は思いのほかスピードがが速く、筆者が所有するカメラの連写機能では対応が難しい。そのため手動一発撮りとしたところ、果たして思い通りの位置で止まった。もう思い残すことはない。

2014.11.24.　山北ー谷峨間