山座同定

- 大菩薩嶺 雷岩 -

撮影:   昼景 2010.10.23
 夕景・夜景 2010.11.03

元はFLASH用に制作したパノラマ展望図で、FLASHのサポート切れに伴い動画として出力しました。そのためFLASHでは可能であった画面内のアクションは動作しません。

大菩薩嶺だいぼさつれい

 山梨県甲州市と丹波山村の境に位置する標高2056.9mの頂が大菩薩嶺です。
山頂は周囲を樹木に囲まれ見晴らしは利きませんが、少し南下した場所にある唐松尾根分岐の雷岩からは大パノラマが楽しめます。
上日川のロッジ長兵衛前に大規模な駐車場があり、大菩薩峠を経由する周回コースは温暖な季節なら初心者にもお勧めです。
雷岩から大菩薩峠の稜線はずっと見晴らしが良いため、注意点は景色に見とれて転倒しないようにすることぐらいでしょうか。これほど長時間、景色が良い尾根も珍しいといえます。

昼景

 この日は富士の麓は雲海となり、特異な風景が広がりました。御坂山塊によりダムのようにせき止められた雲の一部は甲府盆地へと流れて行きます。
高度が1600mを越えると雲の影響はなくなり、西の彼方には御嶽山や乗鞍岳まで見ることができました。120km超の積雪のない山を順光で目視できることは、稀であると言えます。

日の入

 昼の撮影から数日後の午後、再登頂。この日も天気は良く紅葉を楽しむ登山客で賑わっていました。「今から登るの?」と下山してくる方から心配されながらも、事情を説明し、まだ日のあるうちに雷岩に到着。すでに他に誰もなく、鹿の哭き声のみがこだまする静かな時が流れていました。

夜景

 思っていたとおり甲府盆地の夜景が美しく、幹線道路が光の線となって現れました。富士吉田の街灯りは富士山麓の雲を照らし、幻想的な夜景を作り上げています。見上げれば満天の星空。至福のひとときでした。ただし、極寒に耐え続けていることを付け加えておきます。日が落ちると、たちまち気温は氷点下になります。

 

大菩薩湖

 発電を目的に上日川ダムにより貯水された人造湖。送水先は、日川とは逆方向の小金沢連嶺を挟んだ葛野川地下発電所で使用され、さらに尾根を越えた土室川にある松姫湖へ注がれます。夜間の余剰電力を使い、松姫湖の水を大菩薩湖へ揚水する国内最大級のシステムで、電気を位置エネルギーに変換し蓄えています。

西群馬幹線

 眼下に巨大鉄塔群による送電線の存在に気付くと思います。目障りに感じる方も多いとは思いますが、現代文明を支える送電網の大動脈で、少なからずその恩恵を受けているのではないでしょうか。遥か新潟や福島の原発から送電された電気が西群馬開閉所で合流。ここから100万Vで送電(現在は50万Vで運用)し、東山梨変電所を経由。主に都心へ供給しています。