山北発電所取水ダム

 

山北発電所の発電用水取水口は発電所から約2.5km上流にあります。
当然のことながら、発電所と同時に竣工した約一世紀の歴史を有する施設です。
2010年の台風9号の影響で、撮影した時点(10月上旬)でも、酒匂川水系の発電所は運用を停止しているようです。そのため平常時では見られない、ダムのゲートが解放された様子が判ります。

地形図(別窓)>>

ステレオ(立体)写真はこちら>>


取水ダム全景

洪水吐ゲートは近年、空気膨張式に改造されたようです。

 

山北発電所取水ダム洪水吐ゲート

高 さ   2.500 m
天 幅   20.250m
敷 幅   19.000m
型 式   空気膨張式
製造年月  平成11年2月
製 作   住友電気工業株式会社

山北発電所取水ダム排砂門

型  式    鋼製ローラーゲート
純径間X扉体高 3.000x4.800m
揚  程    4.800m
電動機容量   7.5kW
開閉速度    0.3m/min
扉体重量    6.60ton
製作年月    昭和61年3月
製  作    株式会社田中機械工業所

 


谷峨駅側からの全景

取水口の制水門は閉じられています。酒匂川の水は、普段はここから山中を貫いた導水路を流れ、山北発電所で使用されています。

 

山北発電所
取水口制水門、後扉

型  式    鋼製スライドゲート
純径間X扉体高 1.510x2.900m
門  数    4門
揚  程    2.900m
電動機容量   5.5kW
開閉速度    0.3m/min
扉体重量    882kg
    巻上機
製作年月    昭和61年3月
製  作    株式会社田中機械工業所
    扉体
製作年月    昭???
製  作    飯田鉄???

魚道近景

平常時はダムのゲードにより酒匂川を行き来する魚類が分断されてしまうため、魚類専用の水路が魚道です。両岸から互い違いに躯体が突き出た構造により、高低差と流速を緩和した設備になっています。

 

川上側近景

魚道の川上口

魚道の川上側に小さな穴を発見しました。これが魚道の川上側かと思われます。 洪水吐ゲートが閉じた平常時では、水面がこれより上にあることが、壁体に跡が残っていることから伺い知れます。

水利使用標識

河川名 二級河川酒匂川
許可年月日 許可番号 昭和62年 3月31日
 神奈川県指令河第1-18号
許可期限     平成29年 3月31日
許可権者名    神奈川県知事
水利使用者名   東京電力株式会社
水利使用の目的  発電
取水量      最大20.9m3/s
貯水量
取水施設管理者名 東京電力松田制御所 土木保守G
所轄事務所名   神奈川県松田土木事務所

平常時の様子(2008年撮影)

金属製に見えるダムが実は可変する空気膨張式であることが、今回わかりました。

管理用口

バス停瀬戸六軒屋付近に管理用の横穴があります。施工時に残土搬出に使用されていた可能性もあります。


HOME  >  ランドマーク  >  足柄平野のランドマーク  >  足柄平野の送電鉄塔  >  山北発電所  >  このページ

関連:
山北発電所施設 水路橋