太郎山
上田盆地の北に屏風のように立ちはだかる山々は太郎山脈と呼ばれ、東の主峰が太郎山になります。
尾根伝いに一時間半ほど西へ進めば、上杉景勝が進軍していた虚空蔵(こくぞう)山があります。眼下の上田城と対峙する位置にあり、NHK大河ドラマ真田丸では、偽装による戦と上杉進軍の噂により、北条軍を退却させた物語として描かれていました。
太郎山山頂から5分ほど南に下ったところには太郎神社があり、上田の街を一望するにはこちらの方が適しています。
初日の出は、群馬県との県境にある八風山のやや右から7:00頃に昇ります。
河岸段丘
千曲(ちくま)川により旋削された上田盆地一帯は河岸段丘となり、太郎山からはその様子が手に取るように捉えられます。
上田城の南面(駅側)の石垣もこの河岸段丘の段丘崖を巧みに利用したものです(上田面-氾濫原段丘崖)。
往時は石垣付近まで千曲川が迫っていたといいます。
塩田平(しおただいら)
千曲川の対岸、独鈷(とっこ)山の麓に広がる大地は塩田平と呼ばれています。度重なる浅間山の噴火による白い降灰が地名の由来と言われています。河岸段丘という地形の宿命として、台地に暮らす人々の水不足が挙げられます。有り余る水量の本流が低い位置を流れるため、利用するには上流から用水路を敷かなければなりません。塩田平は背後の独鈷山の懐は浅く、流域面積は限定されるため、「ため池」という方法が発達しました。昼間は風景に溶け込んでいるこれらため池が、夕方になると空を映し光り、その存在が際立ちます。
上田電鉄別所線
上田電鉄別所線は上田駅と別所温泉駅を結ぶローカル私鉄で、かつては西丸子線・丸子線・真田傍陽(そえひ)線などで構成されていましたが、現在まで営業しているのは別所線のみとなっています。
日が落ちた時間帯には、ここ太郎山からも短い編成の夜汽車を目視できます。千曲川にかかる鉄橋あたりから、ずっと目で追っていったのですが、途中から見失ってしまいました。後で調べてみると、別所温泉へ直進するのではなく、途中から大きく南へ迂回しているのです。生島足島(いくしまたるしま)神社や前山(ぜんさん)寺へ参拝客を運ぶルートとして敷設された歴史がありました。
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