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函館 〜 札幌

北海道鉄旅 - 国鉄時代最後の冬 -

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昭和61年12月30日 その2

函館駅

函館駅入場券

函館駅入場券

函館へ戻り、周遊券に鋏を入れてもらう。これ以降は優等列車も乗車可能となった。

HAKODATE DOCKのゴライアスクレーン

HAKODATE DOCKのゴライアス・クレーン

海を挟んで1kmほどの対岸にHAKODATE DOCKと書かれた巨大クレーンがあった。 文字通り巨人を意味するゴライアス・クレーンというタイプのもので、遠方からも目立つ函館港のシンボル的存在でもあったが、残念なことに老朽化に伴い2009年に廃止されてしまった。

キハ40 朱色5号

361D キハ40 161 他

14:46発 森行き やはりキハ40はこの色、朱色5号がいい。

ホームにある自販機も懐かしい。
奥からYOTSUBA(よつ葉乳業)、サッポロビール、オロナミンC・ポカリスエット(大塚製薬)、 小型たばこ自販機、裏へ回ってUCCコーヒー。
残しておきたい昭和の風景である。

特急 北斗11号  183系 500・1500番台

特急 北斗11号

183系 500・1500番台 撮影年の昭和61年にデビューした形式で当初のカラーリングが北海道の気動車特急の標準となる。
前面の形状だけでは500・1500番台の区別はできない。

大きくカーブを描く函館駅の鉄路は写真の右奥に写る連絡船ブリッジへ繋ぐことに起因する。

特急 北斗のサボ 札幌行き

特急 北斗のサボ 札幌行き

 

特急 北斗編成表

特急 北斗編成表

特急北斗11号は183系DC7輌による編成で、青函連絡船の乗換えに便利な7号車寄りに優等席が配置されていた。
筆者達はもちろん自由席への乗車であった。

函館14:30発、札幌18:28着の北斗11号へ乗車。この旅で初めて乗る優等列車であった。
左側の車窓からは函館運転所に留置されている車輌群が目に止まった。 地元では見ることのできないものばかりである。

旧型客車と函館ドック

旧型客車と函館ドック

 

函館運転所

函館運転所

北斗11号の車窓の一コマである。 ネガフィルムの劣化がひどい状態の写真ではあるが、もう二度と撮れない光景なので掲載。
背後の山が函館山。麓には旧函館区公会堂も見て取れる。
手前には連絡船が停泊中である。オレンジの塗色から十和田丸であると同定できた。 

函館運転所の広い構内には旧型客車、キハ80系気動車が。その中に側面窓が段違いの食堂車まで写っていた。 この当時、北海道の特急気動車の食堂車は営業していないため、永らく留置されている車両群だと思われる。

駒ヶ岳

駒ヶ岳

午前中に撮影した大沼公園はすっかり晴れ渡り駒ヶ岳が山容を現していた。 もう少し早く晴れてもらえれば・・・

海

海を望む

キハ183系の乗り心地が良いのと、これまでの睡眠不足で函館を出ると間も無く寝落ちした。 どれくらい時間が経ったのだろう、ふと目が覚めると右手の車窓には海が。

札幌駅

さっぽろ

18:28 札幌着。 この当時の札幌駅は高架化以前の地上駅である。

次に乗車する急行大雪までの間、札幌の街を散策した。 大通り公園ではイルミネーションのイベントが開催されていた。観光に来ていたアホな女子大生?に逆ナンされた記憶はあるが、臆病にも適当にあしらってしまった。今思えば何て勿体無いことを。 ラーメン横丁で食事したことも思い出した。しかし写真は一枚もない。食に興味がなかったんだな。

臨時急行利尻81号

8319D 臨時急行利尻81号 キハ56 131

当時の北海道で運用されていた急行型気動車にはエンジンが一つのキハ27-100および200番台、2つ搭載のキハ56-100および200番台、そのキハ56-100番台を両運転台化したキハ53-500番台があり、形式番号は飛び飛びであるが、これらは58系気動車というカテゴリーで括られる。

この写真はデジタルリマスター化して初めて同定できた列車名で、この日しか運転されていない臨時急行利尻であった。
車輌はエンジンを2基搭載したキハ56 100番台で、エンジン冷却用の給水口が車体側面の形式番号付近に2つあることからも判断できる。

塗色はクリーム4号に赤11号の帯が入る急行型気動車の典型で、特急電車で使用される赤2号よりも明るい赤色である。
 

函館本線 下り時刻表 札幌付近

函館本線 下り時刻表 札幌付近

キハ56 100番台
項目
定員 座席数 84
立席数 -
主要寸法 最大長(mm) 21,300
最大幅(mm) 2,944
最大高(mm) 3,925
台車中心間距離(mm) 14,400
自重(t) 38.9
動力機関 形式 DMH17H
連続定格出力(ps)/ 回転数(rpm) 180/1,500
台数 2
最高運転速度(km/h) 95
台車 形式 DT22A , TR51A
軸間距離 2,100
車体 運転台 片側
暖房装置 温水
便所 和式 1
付属装置 冷却水容量(ℓ) 375 x 2
燃料タンク容量(ℓ) 550 x 2
便所用水タンク容量(ℓ) 400
製造 初年度 1960
輌数 51
夜行急行 利尻

311レ 夜行急行 利尻 ED76 504 + 14系座席車 +14系寝台車

ED76-500番台は先に九州地区に導入された同0番代の設計を基に、北海道の酷寒気候に対応すべく昭和43年に誕生した形式で、屋根上の機器の一部を車内に格納し、客車へ供給する蒸気発生装置の出力を大型にするなどの耐寒措置が取られた。
外見上は前面に貫通扉が設けられた点が最大の差異である。

2022年現在はすでに全廃し、形式消滅している。
 

ED76 500番台
項目
車軸配置 Bo-2-Bo
自 重(t) 90.5
換 算 8.0
主要寸法 最大長(mm) 18,400
最大幅(mm) 2,900
最大高(mm) 3,885
全軸距離(mm) 14,000
台車中心間距離(mm) 11,500 (5750 x 2)
動輪直径(mm) 1,120 (中間 860)
  パンタグラフ形式 PS120A
性能 出力(kW) 1,900
引張力(kg) 14,100
速度(km/h) 49.1
最高運転速度(km/h) 100(許容100)
台車 主台車形式 DT129R,DT129S
中間台車形式 TR103F
歯車比 16 : 71 = 1 : 4.44
  主電動機(形式 数) MT52A x 4
製造 初年度 1967
輌数 22
ED76 500番台 + 14系客車

ED76 500番台 + 14系客車

「利尻」は昭和33(1958)年にマロネロ38形やナハネ11形など戦前の寝台客車を組込んだ夜行準急として誕生した列車で、昭和41(1966)年に急行へと昇格し、寝台車は10系客車で運用される。
昭和57(1982)年に座席車が前年に北海道仕様に改造が完了した14系500番台座席車へ置き換わり、翌年には寝台車も14系寝台車に格上げされた。 写真はこの編成の時代のものである。
この14系座席車は最後のブルートレイン「急行はまなす」まで使用されることになる。

急行 利尻 稚内 ゆき

急行 利尻 稚内 ゆき

 

急行 利尻 編成表

急行 利尻 編成表